広島県内で小児眼科専門の医師は数名のみです。
当医院においては小児眼科専門とする沖本聡志副院長が診療担当いたします。
お子様の目の障害は外見では分かりにくいため、見過ごされやすく、なかなか保護者の方が見ていても気づくことが難しいのが現状です。
小児眼科で診療する病気の代表病名は斜視です。
斜視とは両眼の視線がずれている状態をいいます。小児期は視機能(視力、両眼視機能)が発達する時期であり、その点を考慮した診療が必要となります。斜視には、横方向のずれ(外斜視、内斜視)、上下方向のずれ(上下斜視)、眼球の動きが悪いタイプ(麻痺性)、眼の向きによって目立つタイプなど、さまざまな種類があります。
大人になって起こる斜視は、複視や眼精疲労などの自覚症状が強く、症状緩和のために治療を行います。対照的に、子どもの斜視では、視線のずれに対して脳が適応するため、複視など見え方に関する訴えが少ないです。しかし、視力発達や両眼視機能が悪くなり、立体感や視野の広がりに影響を及ぼし、学校生活での不具合や将来の職業適性に制限が出る場合もあります。そのため、子どもの斜視は、外見上の問題だけでなく、将来に懸念される影響について、十分に家族に説明した上で治療を行う必要性があります。
治療としては、屈折異常に対する矯正眼鏡の装用、弱視治療、プリズムや手術による眼位矯正などがあります。子どもの検査は、年齢や反応に応じて行う必要があり、視能訓練士の果たす役割が大きいのです。
弱視の原因としては、斜視のほかに不同視、屈折異常、形態覚遮断(先天白内障や先天眼瞼下垂)などがあります。視力が伸びうる期間には限りがあるため、小児期の目の病気は早期発見・早期治療が重要です。
ご両親はお子さんの一番よき観察者です。また、お子さんは見えない世界にすぐ順応できてしまうこともあり、見えないという症状を自分から訴えることはあまりありません。なにか気になる症状があれば、必ず眼科を受診してください。