結膜下出血

鏡を見たときに結膜(白目)が赤くなっていたり、会った人に「目が真っ赤」といわれたりして驚いたことはありませんか?
見た目が派手なので、早く治らないと気になりますよね。

■結膜下出血

結膜下出血とは、結膜の血管が破れて出血したもので、白目の部分がべったり赤く染まって見えます。
結膜とはまぶたの裏側から黒目のふちまでを覆っている粘膜の組織で白目の部分の表面もこの結膜で覆われています。
程度はさまざまで、黒目の横がわずかに赤く見える程度のものから、黒目の周囲が真っ赤で下の方には血がたまったようになるものまであります





■結膜下出血の症状

◆出血の程度
結膜の存在する大小の血管が破れて、結膜の下に出血が広がります。小さな点状のものから、斑状、眼球結膜全体を覆う広範なものもあり、血腫をつくることもあります。

◆自覚症状
通常の出血ではほとんど痛みやかゆみ、目やになどの症状はありません。また、目が見えにくくなったり、視野が狭くなったりすることもありません。

◆症状の経過
ふつうは1~2週間で自然に吸収されてきれいな白目に戻りますが、なかには2~3ヶ月かかるものもあります。時間はかかりますが、出血は吸収されますので心配はいりません。

※ただし、痛い、目やにが多い、見えにくいなどの症状がある場合は、急いで眼科を受診しましょう。

■結膜下出血の原因

①眼局所の要因
②全身性疾患
③原因不明のものの3つにわけられます。

◆眼局所の要因
金属片やボールが当たったり、転倒してぶつけたりなどの外傷によって起こる場合や、感染性の結膜炎やアレルギー性の結膜炎によって起こる場合もあります。

◆全身性疾患の要因
高血圧や糖尿病、動脈硬化、腎炎、貧血などの全身性疾患が原因となって起こります。
また、結膜だけでなく眼底にもしばしば出血が認められることもあり、視力の低下を自覚するケースもあります。
こうした場合はそれぞれの病気の治療が必要となります。

◆原因不明のもの
結膜下出血をおこして眼科を受診する人の多くの場合が原因不明によるものです。
飲み過ぎ、くしゃみや咳、便秘、嘔吐、目の疲れ、目のこすりすぎなどの原因でおこることもあります。

■結膜下出血の治療法

結膜下出血は視野や視力に影響が出るわけではなく、ほとんどの場合は2週間以内に吸収されるのでそのまま様子を見ていても大丈夫です。
2日目くらいからは蒸しタオルで温めたりすると血液の吸収が早くなります。止血剤の内服や局所への注射を行うこともあります。全身性疾患や外傷などからきたものは原因疾患の治療が主となります。